カーテンコール:にわかファンのヅカブログ

にわかヅカファンが、観劇感想や人事についての戯言を気ままに語ってます。全組鑑賞派ですが、特に雪組贔屓。

月組「出島小宇宙戦争」の個人的感想

コロナウィルスの脅威が日に日に高まっている昨今。
なんとか感染拡大がこれ以上深刻化せず、星組&雪組の大劇場公演ならびに月組別箱公演が無事に千秋楽を迎えられるよう、祈っております。


さて、月組「出島小宇宙戦争」東京公演の初日を観劇しましたので、個人的感想を綴ろうと思います!
なるべくネタバレにならないようにしておりますが、これからご覧になる方はお気をつけてくださいませ。


作品の世界観・テーマ:キテレツでアニメ的だけど美しい


今回の作品は、ジャンルとしてはSFファンタジーラブストーリー、テーマは、「月」と「自分の信念」と解釈しました。
このテーマは、全編通して一貫して表現されており、谷先生が表現したい世界観には魅力を感じました。


また、キャラの衣装や髪型、舞台装置はかなりアニメ的で奇抜でしたが、センスがよく個人的にはかなり好みでした。


脚本演出に対する感想:1幕は良いものの…


脚本演出に関しは、正直疑問が残りました。


今回の作品、SNSで流れてきた鳳月さんの梅田初日挨拶を拝見し、なるべく事前にネタバレに触れないように気をつけて観劇しました。


かなりまっさらに近い状態で見た1幕目は、情報量の多さに少し驚いたものの、過去と現在、もしくは異なる2つの場所が同時に進行する演出が非常におもしろいなあと思いました。
出島の描き方も楽しかった!


しかし、2幕の流れは…正直「やっつけ感」があって若干残念でした。
1幕で張られた伏線や謎が、バタバタと解決されていった印象で、ツッコミどころも少なくなかったように思います。
1幕終わりはかなりドキドキな展開だったので、尻すぼみになってしまったような印象です。


キャスト別感想:鳳月さんの包容力、海乃さんのヒロイン力を実感


ツッコミどころがある脚本でしたが、キャストの皆さんは魅力的でした。
とりあえず、主要キャストの感想です。


鳳月杏さん(カゲヤス)

カゲヤス役の鳳月さんには、月の光のような優しい包容力を感じました。
もちろんかっこいいのですが、ギラギラしたかっこよさというよりも、心の隙間からそっと入ってくるかっこよさ、魅力というか…
陰の部分を持つけれど誠実・真摯なカゲヤスにぴったりでした。
ヒロイン、海乃さんとはとってもお似合いで、二人のシーンにはさわやかなトキメキを感じました!


海乃美月さん(タキ/カグヤ)

本作の真の主役は、海乃さんと言っていいのでは、というくらい、魅力をいかんなく発揮されてました。
鳳月さん相手でも光月さん相手でも、とても美しく凛として、でもかわいらしく、ベテラン娘役ならではのしっとりさもあり、とっても素敵なヒロインでした。
フィナーレでの娘役ダンス&デュエダンでも輝いてましたね~!


暁 千星さん(リンゾウ)

カゲヤスに憧れ、愛着と疑惑を持つ、いわゆるこじらせキャラ。
鳳月さんが受ける芝居なので、それに対してちょうどよいバランスで「押す」芝居をされていたように感じました。
前作「IAFA」ではコメディ担当のキャラでしたが、今回はシリアス部分担当で、かっこよかったです!


風間 柚乃さん(シーボルト)

ちょっと変なキャラクターなのですが、お芝居が本当にうまかったです。
風間さんのシーンは、本当に安心して見ていられるんですよね。
1幕のシーボルトは非常においしい役だったので、2幕の脚本、もうちょっとなんとかならなかったかなぁと…(風間さんはずっと素晴らしいのですが)


光月るうさん(タダタカ)

観劇前に予想していた以上に重要な役!出番も多かったです。
円熟したお芝居で、場面場面を締めてくださいました。さすが。
組長さんがここまでの主要キャストをはられるのはなかなか見ないので、新鮮でした。


その他印象に残った方

蘭世さん(ヘレネ)はいかにもアニメに出てきそうなキャラ。背が高くて目がとても大きいので、舞台では目立ちますね。娘役ダンスでもいい位置をもらってました。


英かなとさん(ヌイノスケ)の出番が意外と多かった!歌が聞きたかったなぁ。
その上司の紫門さん(タダアキラ)、憎めないヘタレキャラでした(笑)


月組の娘役事情が気になる


さて、今回の公演、海乃さん以外の娘役が目立たない役なのが少し気になりました。


蘭世さんの役も、主要かと言われると違うし…


美園さんがトップ娘役になって次で大劇場3作目ですが、美園さんの次が全然想像できない状況ですよね。


このあたり、次の大劇場作品「ピガール狂騒曲」でヒントが見えてくるのでしょうか。
秋の全ツの詳細発表に加え、「ピガール…」の配役も楽しみに待ちたいと思います。