凪七さん&花組「蘭陵王」の個人的感想:好みど真ん中な作品との出会い
珍しく、観劇(スカステ鑑賞)記録が続いております。
今日は、先日スカステで鑑賞した「蘭陵王」についての感想です。
先日の記事にも書きましたが、この作品、個人的にとっっても感動しました。
実はこの作品に関しては、ちょっとした思い出がありますので、そこから語りたいと思います。
記憶に鮮明に残る「蘭陵王」のポスター
「蘭陵王」が上演されたのは2018年11月。
2018年当時、自分の通勤経路に宝塚公演のポスタースペースがありました。当時はまだ宝塚にそれほど興味がなかったので、横目に通勤する毎日だったのですが、「蘭陵王」のポスターには目を奪われました。
「美しかったが、悪いか」のコピーと、人形のように整った凪七さんのビジュアル。
蘭陵王伝説については薄く知っていたので、妙な説得力を感じ、「どんな舞台なのかな」と興味を持ったことを思い出します。
今となれば、この時宝塚にはまっていれば生観劇する機会もあったかもしれないのに!と思いますが、後悔先に立たず…
「蘭陵王」スカステ鑑賞までの日々
時は進み、宝塚にハマってスカステに加入してから、どうやら自分は木村信司先生の作品が好きだ、ということに気づきました。
通称キムシン先生の宝塚作品は、いきなり面白い歌を歌いだしてびっくりすることもあるんですけど(笑)、小説をそのまま歌にのせたような歌詞や、主題のアプローチが、自分のツボに入ることが多いのです。
また同時に、凪七さんに対する興味もだんだん高まっていきました。
89期主席入団、宙組在籍時に研7で特出エリザ(男役なのに)で女役多数、月組に組み替え後は美弥るりかさんとニコイチ扱い、龍さん退団と同時に専科移動…
この不思議な経歴と、「ロックオペラ・モーツァルト!」で目の当たりにした彼女の本気、スカステCafeふぉるだで見せる包容力…
気づけばかなり「お気に入り」の存在になっていた凪七さんが主演、かつキムシン先生の作・演出の「蘭陵王」、見る前から自分好みだろうな、という予感がしていたところに、ようやくスカステで観るチャンスが訪れました。
「蘭陵王」の感想:ハマり過ぎているキャスト、刺さった主題と演出
さて、ようやく本題。
やっと観られた「蘭陵王」は、「スカステに加入してよかった…!」と心から思える作品でした。
鑑賞した時期、ちょうど人生や「生きる」ことについて考えることが多かったからか、「自覚せずに他者から傷つけられ、搾取されていた者が、生きる意味を見出す」テーマがストンと腹落ちしましたし、それを蘭陵王の母である語り部の視点で語られるのもぐっと来ました。
他者から大事にされてこなかったゆえ、どこか無機質で孤高な蘭陵王は、まさに凪七さんの当たり役。そして蘭陵王と同じ種類の傷を負いながらも彼を健気に助ける洛妃の音くり寿さん、本当に美しく、歌や所作も目をみはるものがあり、魅せられました…。
「生きて逃げるか」「地獄で会うか」の見栄、絵のように美しかったです。
蘭陵王の異母兄で、立場ゆえにありのままに生きられない瀬戸さんの切なさ、瀬戸さんに寵愛されながらも蘭陵王に嫉妬する帆純さんの美しく暗い情念。
最後の雅楽風のデュエダンがまた素晴らしくて…
宝塚なんですけど、古典芸能のエッセンスをいたるところに感じ、ある意味、宝塚という枠を超えた舞台芸術と感じました。
円熟の男役芸が見られるのを楽しみに待つ
この作品を見て、凪七さん、音さん、瀬戸さんはじめ出演されたキャストがさらに好きになりました。
本日、凪七さんと雪組選抜メンバーによるコンサート「パッション・ダムール」の千秋楽ライブ配信が発表になりましたね。
様々な経験を経て、独特の香気をまとった凪七さんの男役芸を堪能できるのを心から楽しみにしています!
そして、音くり寿ちゃんの環ちゃんと瀬戸さんの編集長を生で観られるよう、東宝「はいからさんが通る」チケット取りがんばります!
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