カーテンコール:にわかファンのヅカブログ

にわかヅカファンが、観劇感想や人事についての戯言を気ままに語ってます。全組鑑賞派ですが、特に雪組贔屓。

月組「WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂想曲」の個人的感想:安定感に嵐の予兆を感じる

東宝で始まったばかりの月組公演を観てきました!


ムラ公演を観た方の感想で、「WTT、ピガールとも2階から観たほうが良い」とありましたので、初回は2階席から観劇。
確かに、この作品は2階の方がフォーメーションや舞台の奥の小芝居がわかっておもしろいかも!


来月に1階席から見る予定なので、また比較してみたいと思います。


WTT:生松本先生と「月」の場面が圧巻


和物ショーを生で観るのは初めてだったのですが、和と洋の融合がとても美しかったです!


特に印象に残ったのは、松本先生の「雪」の場面と「月」の群舞。


生で観る松本先生の舞は、次元が違いました。
わずかな体の角度の変化、袖の振り方で感情が伝わってくる…芸の極みの美しさに、思わず涙が出そうになりました。


松本先生の生の舞を1度でも観られることができて、本当に良かったです。


また、「月」の群舞は前評判通り、ダイナミックなフォーメーション、銀色の扇の反射を利用した演出により、冴え冴えとした美しさで素晴らしかったです。


クラシック音楽を合わせるのも観客にとってとっつきやすく、「(純粋な日舞ではなく)宝塚の和物ショー」の魅力を伝えるのに有効と思いました。


ピガール狂想曲:のびのび演じる珠城さん


私はにわかファンなので、生で観た月組大劇場作品「夢現無双/クルンテープ」「I AM FROM AUSTRIA」そしてこの「WTT/ピガール狂想曲」の3作品となります。


今回の「WTT/ピガール狂想曲」は、これまで観た月組大劇場作品の中で一番楽しめました!


その理由の1つは、和物ショーが良かったこともさることながら、ピガールで珠城さんがのびのび楽しみながら演じているのが伝わってくることだと思います。


それが、退団が決まって肩の荷が降りたからなのか、こういうフェアリー系の役がご本人にとって演じやすいのか、その両方なのかは我々には知るよしもありません。


でも、退団する前に「ご本人が楽しんで演じている」ことが伝わる作品に出会えたことは、珠城さんにとっても良かったと思いました!


職人集団の組子たち


今回、WTT、ピガール通して感じたのは、「月組は本当に職人集団だなあ…」ということです。


ピガールでは実質主役級だった月城さん、ガブリエルがはまり役だった美園さん(※)、安定の鳳月さん、出番は控えめながらダンスが印象的だった暁さん、笑いの場面で場をさらった風間さん…


こういった主要キャラだけでなく、皆さんお芝居も歌もダンスもお上手なんですよね。


でも、その上手さを、いわゆるギラギラにつなげておらず、存在感を強調しすぎていない。
珠城さんも含め、誰か1人が目立つことなく、周囲と協調しながら作品の一部となっている。
それによって、作品全体がすごく安定した印象になるのだな、と思いました。


※ちなみに、IAFAのときは美園さんの台詞回しが苦手だったのですが、今回のピガールではかなり癖が薄くなっており、気になりませんでした!


安定感の高さに嵐の予兆を感じる


逆説的なのですが、非常に安定感を感じたからこそ、「これから(トップコンビ代替わりの他に組換えなどで)嵐が起こるのだろうな…」という予兆を感じました。


単に、現在あまりに全体としてバランスがとれているからこそ、スパイスとなる異分子を投入した時の化学反応を見てみたいという、私の天の邪鬼な気持ちが働いているのかもしれません。


どうなるにせよ、今はこの安定した月組を楽しまなくては、ですね。
来月の観劇も楽しみにしています!